おばさんの心理
早番は9時半開店なので9時集合である。といっても台の電源は自動的に8時半に入るようになっていたし、その頃には住み込みの新居さんや仲本さんがボチボチとホールに出てきていたので、やることはデジパチのシマにドル箱を並べるくらいだった。(その店では、デジパチのシマには最初からドル箱をおいておくようにしていた。)まだあまりタバコの匂いのしない、人気(ひとけ)のないパチンコ屋というのは、けっこうさわやかな感じがする。(バカ)そこの店は「ダサイから」という理由で、開店の音楽をディズニーのエレクトリカルパレードのテーマ音楽というダサイ選曲をしていた。なんか朝一から、
みょ〜〜〜〜ぉん・・・
ぱんぱかぱぱっぱ・ぱんぱらららららで始まるのもなんだかなあだったんだが、慣れというものは恐ろしくて、ちゃんと軍艦マーチの代わりになるから不思議だ。
開店前に箱を並べ終えて時間が余ると、隣の喫茶店でモーニングというのがおきまり。これもパチンコ屋のツケで無料だったのだ。貧乏性の私が無料特典を見逃すわけはなく、時間があろうとなかろうとモーニングを食いに行った。
ちなみにモーニングというのは、モーニングセットのことではない。名古屋人(私は関西系名古屋人だったが)は、朝コーヒーを頼むと、無料で食べ物がついてくる事を「モーニング」というのだ。決してコーヒー代より高くなっては「モーニング」と呼べない。「まあ、セットでコーヒーより高くなる店もあるけど、コーヒーと同じ値段で、何か付いてくるのもそんなに珍しくないじゃん。」などと東京などの田舎に住んでいる方は思われるかもしれないが、名古屋人はさらに最低2品付いてこないと「モーニング」とは呼ばない。そこの喫茶店でも、厚切りトースト半切れと、ゆで卵と、野菜サラダがついてコーヒーと同じ値段(確か250円)だった。
だから名古屋人が、東京の喫茶店でキレる確率は高い。東京の喫茶店で「なんで豆がにゃ〜の?」と言っている人を見たら、名古屋人だと思って近づかない方がいい。(その前に言葉でまるわかりだが・・・)
まあ、モーニングの話はいいとして、そこの喫茶店のママさんもパチンコ好きらしく、私の顔を見て、「なに〜、あの○○○番台わやだがぁ、わたし昨日2万入れたけど、いっぺんもかからんかったがね。えか?」とか言うのだ。私に言われても困るんだが・・・
だいたいデジパチおばちゃんは「2万入れたのに来んがね」と言うのがお約束なのだ。要は悲劇のヒロインを演じたいという、女性にありがちな心理で、一万円前後の負けから「2万円」を口にするようになる。「ま〜やっとつぎ込んで一回も来ないって、でら、わやだがね」と言ってもらいたいわけである。だから
「2万入れても来んがね」
と言うのである。で、本当に2万円負けているとセリフは同じなのだが、
「2万入れても来んがね」
と第一音節にアクセントが来るようになる。更に負けて「3万以上の負けになると、不必要に持ち歩くプライドが、「そんなにつぎ込んで、た〜けか?」と思われるのを許さず、やはり
「2万入れても来んがね」
というわけだ。ちなみにこの時は全音節平板。で、たまにドル箱積んでいると、聞きもしないのに
「トータルではマイナスだでかんわ」
とのたまうのだ。
当たり前だって・・・
今回はディープな名古屋弁が多かったので、意味の不明だった方は、標準語バージョンを、河内弁の方が分かりやすいという方は、河内弁バージョンをご覧下さい。
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